バリア・ブンタウ省はバリア市とブンタウ市という2つの大きな市が中心となっている省です。17~18世紀頃にベトナム中部から人々が移入し開発が進んだようですが、その時期については諸説があります。当地では、次のような歴史や地名に由来に関する諸説があると言われています。
○バリア・ブンタウ省は約300年ほど前に開発された地域であり、1698年(グエン王時代)に中部から来たベトナムの流民により開発され、現在に至ります。
1832年 グエン王朝時代(Dai Nam国)のミンマン帝はビエン・ホア件に変更。
1837年 ミンマン帝がバリア地区をフックトゥイ府と命名。
1862年 ビエン・ホア件がフランス植民地となり、植民地区域は5つの管轄地域に分けられました。その一つがバリア管区となりました。
1895年 フランス植民地時代に現在のブンタウ市を分割しCap Saint Jacques市が設立されました。
1945年 ベトナム革命政府はO Cap省およびバリア省を設立しました。(現在のバリア・ブンタウ省も含まれました)
1967年 バリア・ロンカン省となりました。
1975年 バリア市と周辺地区はドンナイ省の一部となりました。
バリア市はドンナイの一部としてブンタウ・コンダオ特区となりました。
1991年8月12日 第8回国会の第9回目の会議の議決で現在のバリア・ブンタウ省が設立されました。
1994年6月2日 政府の45/CP議定にもとづいてバリア市が誕生。
○地名の由来
バリア(Ba Ria)という地名に由来に関し、地元では2つの説が聞かれます。ひとつは昔、クメール人が支配するバリア国がそもそも存在していたという説です。1622年頃にベトナムのNguyen Phuc Nguyen王とバリア国王Chey ChettaⅡ世が合意して、ベトナム主要民族であるキン族の入植が認められた後にバリア地区の開拓がはじまりました。したがって、バリア(Ba Ria)はクメール人の国の名前であったという説です。
もうひとつは1789年頃に中部のビンディン(Binh Dinh)省の出身のリア(Ria)という名の老婆が貧しい人たちを連れてバリアを開拓したという説です。彼女の死後、開拓者である彼女の名前からバリア(Ba Ria)と名付けたという説です。老婆という言葉はベトナム語でBa、彼女の名前がRiaであるため、バリアの意味は「リアお婆さん」となります。
ブンタウ(Vung Tau)という地名の由来はベトナム語のVungは湾でTauは船という意味であり、昔から嵐などを避けるための船の宿泊場所として使われたことが関係しているようです。フランス統治時代になりリゾート地として利用されるようになり、ブンタウはいまもベトナム南部の代表的なリゾート地のひとつです。